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「シック・オブ・マイセルフ」レビュー☆

2024年04月01日 01:21

「シック・オブ・マイセルフ」レビュー☆

クリスティン・クヤトゥ・ソープ主演他。最狂の承認欲求モンスター誕生。シグネ(クリスティン・クヤトゥ・ソープ)の人生は行き詰っていた。長年、競争関係にあった恋人トーマス(アイリク・サーテル)がアーティストとして脚光を浴びると、激しい嫉妬心焦燥感に駆られたシグネは、自身が注目される「自分らしさ」を手に入れるため、ある違法薬物に手を出す。薬の副作用で入院することとなり、恋人からの関心を勝ち取ったシグネだったが、その欲望はますますエスカレートしていき―。暴走する自己愛に、嫌悪と共鳴が止まない“セルフラブ”メディケーション・ホラー。第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品作。

4/10点!!ノルウェーの映画(合作)。北欧のこの手の作品のエグさと鋭さは相当ですよね。それこそシグネと同じで、普通の人々が飛び越えることを躊躇するボーダーラインがない。ボーダーラインがない人は一般的に見たらおかしいレベルまで突き抜けていても何とも思わないから、最後には一般社会から孤立してしまうことになる。シグネは自己愛性パーソナリティ障害なのだと思うけれど、人を助けたことがきっかけなのだったら、そういう方面にいけば良かったのに(^^;)父親との関係がサラッと描かれているけれど、個人的にパーソナリティ障害の多くは育った環境に多く起因していると思っているので、もう少し親子の関係、彼女の背景も描いてほしかったです。承認欲求は誰にでもあるものだけど、簡単に嘘だとバレてしまう言動をSNS上などでしてしまうのは何故なのだろう?バレたら消せばいいと思っていてもデジタルタトゥーという言葉があるくらい、ネット上に上げたら完全に消すことは不可能なのに。こういうのって成長過程のどこかで失敗体験をして学ぶものだけど、今まで成功してきていると思い込んでるのかな?その証拠にそんなシグネにドン引きしない彼氏が傍にいるし。今の世界だと実際の生の繋がりが希薄だから、シグネの言動の裏にある深い闇の方に興味を持ってくれる人がいなくて、シグネが本当に見て欲しい部分はそこなのかな?と感じました。だから、ああいうセラピーじゃそこまで個人を引き出すことは出来ないと思う。多様性の多様にも一般的ボーダーが引かれている事実を痛烈に表現していたのは良かった。オエッとなっちゃうくらいのドロッドロの自己愛を流し入れられ続ける作品なので、元気な時に観てください(^^;) 2023年公開。

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