- 名前
- なな♪
- 性別
- ♀
- 年齢
- 42歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 下ネタは受け付けてないのでメール頂いてもそれに関してはお返事できないかも。 メールや...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
素敵な話:[ミシンを守った神さま]
2012年12月22日 09:12
70年前、私がまだ幼い少女だった頃の話だ。
私は末っ子で、兄と姉がいた。
当時、父は重い病にかかっていたから、母は縫い物であればなんでも引き受けて家族を養っていた。
暗いガス灯の灯りを頼りに母は夜おそくまで古い足踏み式のミシンを踏んだ。
ガス灯が消えかかっても食べ物が乏しくなっても愚痴ひとつこぼさず母は夜更けまで働いた。
その年の冬、暮らしは更に苦しくなった。
ある日母にミシン会社から督促状が届いた。
月ぎめのミシン代金が期日までに支払われない場合は、翌日ミシンを回収するというのだ。
母はその手紙を読んでも取り乱したりしなかった。
むしろ落ちついているように見えた。
でも、幼かった私は怯えた。
全員で飢え死にするのかと悲しくて、泣きながら眠ってしまったのを覚えている。
私達は一体どうなるのだろう。
しかし、母は言った。
[神さまは決して私達をお見捨てにはならないわ。今までだってちゃんと守って下さったもの]
一体神さまはどうやってあのミシンを守って下さるのだろう?
さて、いよいよミシンを回収しに会社の人達が来る日になった。
キッチンのドアにノックの音。
私は怯えた。
ああ、怖いおじさん達が来たんだ!
ところが、ドアの外にいたのは可愛い赤ちゃんを抱いたパリッとした身なりのおじさんだった。
おじさんは母に尋ねた。
[失礼ですが、ヒルさんですか?]
母が頷くと、おじさんは話しだした。
[実は今朝、家内が急病で病院に担ぎ込まれてしまいました。赤ん坊を預かって貰おうにも近くに親戚はいないし、私は歯医者ですから診療所を開けなければなりません。ご近所で聞いて回ったら、薬屋さんも角の八百屋さんも、貴女が一番正直で親切なご婦人だと言うのですよ。どうか、2、3日だけでもこの子を見て貰えませんか?お礼は前金でお支払いします]
そう言って彼は10ドル札を取り出し、母に手渡した。
母は[ええ、ええ、承知しました、喜んで]と、彼の手から赤ん坊を引き取った。
彼が立ち去ると母は私の顔を見た。
頬に涙がきらきら光っている。
[ほらね。わかっていたわ。神さまは私からミシンを取り上げたりはなさらないって]
こころのチキンスープ12
ジャック・キャンフィールド他著
ダイヤモンド社
とっても素敵なお話です。心が温かくなりました
このウラログへのコメント
ミシンと言えば、亡き母が、嫁入り道具で持ってきた、シンガーのミシン、兄貴が勝ってに処分した
管理貞操帯さん:お母さんの思い出が詰まったミシン。捨てるにしてもせめて声かけてほしいですよね
狭い部屋に余り使わない妻のミシンがあって邪魔だと言ったりしたんですが妻の気持ちがわかりました。有難う
アキラさん:よかったです
ペンギンさん:そうですね。誠実な方たちに是非ご加護を
ハートフルけんじさん:そうですね私はまだまだなので精進が必要です
当時、珍しい電動ミシンでしたが、戦時中、軍にモーター部分を供出さされました。今あれば、鑑定評価物
管理貞操帯さん:そうなんだ!
はい。
コツコツと努力している人を、見ている人は居る。。。
ゆうき2さん:ですね精進します
コメントを書く