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出会い系の女42

2013年05月17日 15:15

遅い昼だったので、夕飯は腹は空かない。

午後6時半頃で、ニューステレビで見、新聞に目を通す。

PCでニュースを読み、習慣で出会い系サイトで女を探す。

だいたいこの男のいつもの習慣だ。
映画は週に1回、シルバー料金1000円で、見る。
駐車場代が千円を超えるので、この点が引っかかる、バスで行ってもイイのだが、
車が習慣になっているこの男には、時間がムダのように思えてならない。

出会い系サイトでは、テキトーにコメをつけていたから、くればめっけものだ。
世の中はうまくできているものと見え、まったく無視するということはない。

ある日記にコメつけていたモノにレスが入っていた。

あなたはキマジメですね。

たったこれだけである。

男はうれしくなってサイトメールに、

はい、そうです、よろしかったら、メールしませんか?

メールアドレスをつけて送った。

フツーは100%無視される、
承知で男は、いつも送っている。

こういうことを、何回かやっている。

未だ、なしのつぶてだ。


出会い系サイトで、一連の作業を終えたので、
男はあのトラウマの女のメールに取り掛かった。



この前は、精神疾患から回復したとこまで話したわね。

それから、今の優しい夫と結婚したわ、子供も順調に2人授かったわ。
ワタシの意識がね、ハイビジョンみたいに凝縮されているの。
光が見えるの、光の波長が見えるといった方がイイかな。

暴力セックスとその代償のヒリヒリするような快感でね、ワタシ廃人になったでしょ。
そして、5年後になんとかキセキ的に回復したでしょ、
回復してワタシって、も、別人なのよ。
ある意味でスーパーマンなのよ、精神的にね。
ワタシの感覚が研ぎ澄まされたといってもイイかしら、
ヒリヒリ焼け付くような快感が、アタマの快感じゃなく、
見るモノに、それが転化したようなことになっちゃったって感じなの。

わからないでしょ。
そうね、わからないわよね。

これってね、芸術家の感覚だと思うの、
わたしイ、芸術家でないから創作はできないわ、しかし、感性がそうなったの
芸術家の感性なのよ。

アノ、ヒリヒリして焼け付くようなおまんこ快感って、
アタマの、中あまりにも気持ちイイくてキラキラ光ってるでしょ、
それがね、感性に移ってきちゃった感じなの。
だから、モノを見たり聞いたりするでしょ、
すると、あるモノに神経を集中すると、ハイビジョンに見えるのよ、音もよ。

これはこれですばらしいんだけど、

暴力でわたしイ、さんざん痛めつけられたでしょ、

前に言ったわよね、セックスして彼とだんだん仲良くなると、彼が暴力を振り始めたって。
ここのところなんだけど、
暴力って、もちろん、
感情が高ぶって昂じると、嫌いな人や憎い人に振るうことでしょ、

それはそうなんだけだ、もう一面あるのよ、
気持ちが入れ込むと、暴力振るわざるを得ない人もいるのよ、
こういう男の事情は知らないけれど、

信じられないでしょうけど、
暴力愛情表現ってコトも、ある種の人間にはあるの。
なんでそうなったかは知らないわ。

たまたま、ワタシはそういう人間、男にぶつかったってコトかしら。

だからって、その暴力にワタシがガマンしたかっていうと、そんなことないわ。
だって、愛情表現かもしれないが、イタイコとに変わりないでしょ。
しかし、そのときのワタシには愛情表現なんてわかりはしないわ。

でもね、ワタシにとっては暴力のイタサが、焼け付くようなヒリヒリするおまんこ快感になるの。

暴力とね、おまんこって、究極のとこで、くっついてるのよ。

暴力ってね、イノチが興奮するのよ、
おまんこも、同じでしょ
イノチが興奮するのが、おまんこよ。

フツーは、こんなことないわ、
フツーは暴力に縁がないでしょ、
Sとか言ったって、死の恐怖はないでしょ。

ホントの暴力ってね、死の恐怖なのよ、
イタサが死の恐怖に陥れるの。

彼はどんどんワタシに気持ちを入れてくるでしょ、
愛とかスキとかの感情がどんどん高ぶってくるでしょ、
すると暴力になるのね。


これがね、これが
ワタシに移ってしまったの。
私が人を好きになって入れ込むでしょ、
すると、キモチがどんどん、相手の男に入ると、
ワタシも、相手のヒトも、一気に破壊したくなるの。

気持ちが入り込めば入り込むほど、ぜ~んぶ、壊したくなるの
そういう衝動に駆られるのよ。

これって、も、暴力よね、
精神的な暴力ね。

今の夫は、そこまでいってないわ、
なぜって、わたしがセーブしてるからよ。

だって、壊してしまったら、元も子もなくなるでしょ。
家族が。

でもね、子供は違うわ、
子供はどうしても思い入れが、入り込むわよ、自分の子だから、
カワイイく思うほど、食べちゃいたいくらいカワイイほど、
崖っぷちに飛び込みたい衝動に駆られるの、
ぜ~んぶ、壊してしまいって、衝動なの。

彼の暴力がワタシの心に移ったとしか、いいようがないの。

ワタシは、心の破壊者なの。



う~ん、思わず唸ってしまった。

男は、ここまで読んで、

心は悪魔のよ、

を思い出した。

この女は、アノ焼け付くようなヒリヒリする快感破壊を、悪魔と取り引きしたのかもしれない。

いや、暴力によって、強引にそういう状況に追い込まれた、
といった方が正解かもしれない。
つまり、ラッキーアンラッキーの世界だった。


ワタシはどこにでもいるフツーの女よ、
でもね、人を好きになったり、恋なんかするでしょ、
キャハ、これでもまだ、わたしイ、女でしょ、そういう気持ちは褪せてないわ。

モチが入り込むでしょ、どんどん入り込むでしょ、するとね、
なにかの口実でね、ぜ~んぶ、壊したくなるの。

コトバを換えていえば、
ワタシが恋をするのは、壊すため、かもしれないのよ。

壊すことで、イノチが興奮するのよ。
恋が壊れるときって、おたがい、キモチがササクレだつでしょ、

ささくれって、イノチを勃起させるってコトでしょ。

ドミノって壊すことでしょ、

1日中さんざん時間をかけて、がんばって努力して、コマをみんなで立てていくでしょ。

で、最後のコマを立ったとき、一押しのコマで、立てたモノ、ぜ~んぶ、壊すでしょ。

アレよ、

アノ快感なの。

壊すって。

今まで、さんざん時間をかけて作り上げた愛情を壊すって。

しかし、家族にはこんなコトしやしないわ。
したら、元も子もないでしょ。

でもネ、家族にだって、メチャメチャに壊したい衝動に駆られるわ。


だから、恋人なの、

外の恋人なのよ。



男は、ここまで読んで、また、唸った。

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