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どうしようもないわたしがあるいてる

2023年06月30日 23:34

どうしようもないわたしがあるいてる

本日の自作品

山頭火の句より

どうしようもない
わたしが
歩いている

現代語訳
「何も残されていない救いようもない私がひたすら歩いている。」

この句は句集「草木塔」に収録されており、山頭火が47歳前後の頃に詠んだと言われています。

山頭火はこの句を詠んだ頃は、行乞(僧侶が托鉢で物乞いをすること)をしながら旅をしている最中でした。

旅に出た理由として「歩く以外に生きる術がない」と山頭火は語っています。これは山頭火の人生と人間性が関係しています。

旅に出る以前は、家族崩壊・地震による失職など不幸続き&アルコル中毒のどん底だったこともあり、山頭火僧侶として修行し煩悩を捨てたいと願いました。しかし、既に40歳を超えていた山頭火では修行に耐えられないとお寺の和尚さんは断ります。

それに絶望した山頭火は唯一できることとして行乞を選びました。

しかし、僧侶となった後も托鉢で得たお金で大酒を飲み、周囲に迷惑をかけることも多かったと言われています。

そのため、山頭火煩悩と後悔を繰り返し、そのような状況にある自分自身を「どうしようもないわたしが歩いている」と表現したのです。

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