- 名前
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ジャック・ドゥミの「ローラ」と「シェルブールの雨傘」
2009年07月05日 01:03
「ローラ」 「シェルブールの雨傘」 2009年07月04日
もう少しで「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」のデジタルリマスター版のDVDが発売されます。しばらくこれらのDVDは絶版になっていました。それがデジタルリマスターとなって去年銀座テアトルシネマで上映され、さらに紀伊国屋からDVDが出るのです。
また、これらの監督をしたジャック・ドゥミ監督のDVDBOXも販売されます。その記念(というか販売促進)上映会に当たりましたので(といっても当日でも1000円で見ることができたようです)、土曜日の午後、新宿紀伊国屋サザンホールに行ってきました。
7Fで隣の高島屋と紀伊国屋を結び長い通路はすごく興味深い建築で、そこを渡ったところにサザンホールはあります。
さて、僕は「シェルブールの雨傘」のDVD(デジタルリマスターではありませんよ)とLDを持っているのですが、これまで妊娠したジュヌヴィエーブ(カトリーヌ・ドヌーブ)と結婚した金持ちの男ローラン・カサールをドラマの端役くらいにしか思っていなかったのです。以前の恋人「ローラ」とのいきさつを述べるシーンや回想シーンも別に何とも思っていなかったのですが、実は、今日見たドゥミの初期監督作品「ローラ」をすべて引用しているのです。
「ローラ」は多数の登場人物の物語が奔放に同時進行で進み、それが一つになるところはむしろ「ロシュフォールの恋人たち」に近い脚本ですが、そのローラというダンサーの幼馴染で、彼と久しぶりに再会し、恋してしまうカサールこそ、「シェルブールの雨傘」で今度は金で、妊娠しながらも戦地(アルジェリア)にいる恋人を待つ女性ジュヌヴィエーブを自分の妻にしてしまう男です。
ま、未来の話はいいとして、ローラはダンサーをしながら一人息子のイヴォンヌと、恋人ミシェルの帰りを待っています。とはいいながらも、キャバレーに遊びにきたアメリカ人水兵フランキーと寝たり、再開したローランといい雰囲気になったりとあまり見持ちがいいとはいいにくいのですが・・・。
一方、ローランは会社をクビになり、カフェのマダムの話から、あやしい仕事をすることに・・・。そして本屋である母子に出会い、その母親から恋心を寄せられるのですが・・・。一方、その母子の娘の方は、これまた偶然知り合った例の水兵フランキーを好きになり家出をしてしまい・・。
そんなとき、恋人ミシェルが金持ちになって街に帰ってきて(といっても、映画の冒頭から登場しているのですが)・・・。
結局、少しふらふらするところはあるものの貞操を守った妻を、帰還したユリシーズが迎え入れるというギリシャ神話の焼き直しとなるのです。
そういった目でみると「シェルブールの雨傘」の金になびいて遠距離の彼氏を捨てたジュヌヴィエーヌは不貞の女として描かれることになります。(最初に見た時はそう思わなかったのですが、「ローラ」と続けてみると、そういうことになります)
ラストで、自分が振った彼氏であるギイが経営するガソリンスタンドにわざわざ高級車で乗り付け、ギイに「今は幸せ?」と聞く彼女の真意は、まったく元の恋人のことを思うよりも、自分が犯した罪の度合いを測るかのようです。
なるほど、同じ監督の映画を続けてみるということは非常に興味深いわけであります。
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