聖闘士星矢を口にした者は私の餌食になる

今日も今日とて、星矢を布教しようと頑張る私を温かい目で見守ってくれる職場にて頑張って働いてきました。

その職場も明日でテナント撤退です。
明日は片付けの日です。
やってられません。そんなことより星矢を見ろって貴様ら。

今日も頑張って、シルバーアクセサリーの接客をしてきました。午後６時すぎに入店された二人組みのお客さまが指輪を眺めてらしたので、「よろしかったらケースお開けしますので。」と笑顔で接客。（むしろ愛想笑い）
「あ、はい。」と愛想笑いで返してくれるお客様。いい人だ。ちょっと好みだった。

少し間をあけて、隣にいたお客様が、ケースの中の指輪を指さして言いました。



客１：「なんかこのデザインさぁ、聖闘士星矢の聖衣みたいじゃない？」

客２：「あー似てるな、あれやろ、えっとキグナスの・・・なんやっけ、氷河やっけ？」

客１：「あーそれそれ。」


耐えろ。耐えろ私。
会話に混ざりたくても耐えろ私。これは試練だ。

さらに会話はヒートアップしていきます。

客１：「お前、どのキャラが好きやった？」

客２：「俺水瓶座の奴が好きやった。だって俺水瓶座やもん。」

客１：「あーいいよな。たしかにカッコイイよな。俺、一番好きなんはシュラやったわ。あの手便利よな。」


「私はヴァルゴのシャカが好きです！！」

とか言えたらどんなに良いだろうか。
加わりたい。
この会話に加わりたい。

容赦なく会話は進みます。

客１：「お前、黄金聖闘士で誰が一番強いと思う？」

客２：「やっぱサガちゃう？」


「なんでそんなこと言い切れるんですかああ！！！」


突如叫んだ私に驚きを隠せないお客様。
すいません。ごめんなさい。でも私、止まらなかったんです。


「たしかにね、サガ様も強いですよ？ええ、ギャラクシアンエクスプロージョン！とかね、ゆってるとこともカッコイイですよ？！でもサガ様が一番とは言い切れないですよね？それを言うならシャカ様だって捨てがたいでしょう？でもここで童虎がでてきたらどうなりますか？この３人はまず上位争いでしょう？！」







退いてます。明らかに退いてます。
そんな冷たい目をしないでください。
私だって我慢してたんですよ。
すごい我慢してたんですよ。
でも貴方、そのサガ様贔屓の発言は心の底から訂正してほしいです。



客１：「・・・あ、聖闘士星矢・・・好きなんですか・・・？」


引きつった笑顔で聞いてくるお客様。


でもごめんさない。私歯止めきかない女でごめんなさい。



「好きとか嫌いとかそんなレヴェルじゃないです。ノーセイヤ、ノーライフです！！」


客１、２：「・・・・・・」





ノーセイヤ・ノーライフ。

我ながらうまい事言ったもんだ。

目の前のお客様はドン退きだったけど。