自殺

と言っても、特別これと言った意見は持っていない。
ただ思うのは、人はあらゆる意見や主張、思想を自由に持つことが可能である。
時には殺人願望や自殺願望であってもだ。
六法全書には殺人をしてはいけないとも、殺人に興味を持ってはいけないとも書いていない。
もし書かれることがあるならば日本は本当の意味で思想統治国家になるだろう。


ネット界隈でよく見かけるのは自殺をしたいと願う人に対し、「自殺はいけない」とか「親から与えられた命を大切に」という感情的な意見。
他人のことを思い、自殺を止めようとして放った言葉なのか甚だ疑わしい。自分の主義主張を通そうとしているだけなのではないか。
勿論、そういった説得も自由と言えば自由。私は見かけたって口出しはしない。ここで小言を言うだけだ。これもまた自由。お互い、押し付け合いをしないように沈黙を守りたいくらいは思う。
小言を押さえられないのは私が精神的に未成熟なだけだ。


例えば、自分の大切な人が自殺をしようとするとき、どうするべきなのだろうか。
止めるべきか、そっとしておくべきか。

私は恐らく止めない。止めるべき論理が私にはない。

自殺や殺人と言った人間の尊厳の是非を問うような行為は、その深淵さ故に人を惹き付けて止まず、結果的に実証に移してしまう場合が多い。
思考は麻薬である。
毒には毒で対抗するしかない。自殺したいだの殺人したいだのと言った感情は、別なもので気を紛らわせるしかない。

本当に止めたいのならば、ただ一言
「そんなことより月が綺麗ですね。」
と言うと思う。
リスカをする人間には
「もっと美意識を持って美しくやりなさい」
と答えるようにしている。

漱石の「Ilove you」の訳を知って思うこと。