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ネットの素敵な話:ある拍手
2013年05月18日 14:16
ある新聞記者がとても有名な声楽家に会い、インタビューをすることになりました。
声楽家に今までで一番忘れることのできない公演がいつであったのかを聞くと、声楽家は次のように答えた。
“私が声楽家になって間もない時でした。ある時、ある田舎の街で公演をすることになりました。ぎっしりと詰まったスケジュールに、息つく暇もないほど忙しい時でした。その日に限って、心身ともにひどく疲れて、気持ちもあまり乗り気でありませんでした。
何とか公演を終えてホテルに戻ろうとした時、愛用していたカバンを置き忘れてきたことに気づき、仕方なく公演場に引き返しました。
カバンを持ってホテルに帰ろうとした時、ガラガラになった公演場の片隅に少女が座っていることに気づきました。
私は少女に近づき、公演はすべて終わってしまったのに、どうして一人残っているのかを尋ねました。
しばらく、もじもじとしていた少女が恥ずかしそうに答えました。
自分は貧しくて、公演時間に公演場に入ることが出来ず、どうしても聴きたかった歌を聴くことが出来なかった。だから、せめてガラガラになった舞台だけでも見たくて、こうして座っているのだと。
私は胸が熱くなりました。
少女を慰めてあげたかったのですが、なんと言えば良いのか言葉が思いつきませんでした。しかし、そのまま立ち去ることは出来ませんでした。そこで、私は舞台に再び立ちました。
照明もなく、マイクも入っていませんでしたが、私は精一杯歌を歌いました。いつも以上に一生懸命に歌いました。
私を見つめている少女の澄んだ瞳を見ながら。
歌が終わると、拍手の音が聞こえました。
当然、少女一人の拍手でしたが、その拍手の音は今に至るまで一度も、どの公演場でも聴くことの出来ない大きな拍手の音に聞こえました。
拍手の音を聴くと、私はいつも思います。
私のために、あんなにもあつい拍手を送ってくれる人が一人でもいたら、私は絶対に失望したり、投げ出したりしないと。
つまり、その時の少女のあつい拍手が今日の私をつくってくれたのです。”
…やる気がどうしても出てこないときてありますよね
このウラログへのコメント
隣のトトロさん:そうなんでしょうねデビューしてからが大変なんだろうな
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