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素敵な話…ちょっとドキ②ハラ②した話かも
2011年11月06日 21:32
確実に自分を変えていく法より
それは1942年イタリアの田舎でのこと
汽車の窓からスッシ・ペンジアスは過ぎ去る村やブドウ畑を眺めていました
ナチス支配下のドイツから脱出した彼女は誰にも気づかれないようにと祈るような気持ちで一人旅を続けていました
三年前にイタリアへ入ってからは、友人の家、そのまた友人の家を転々としながら当局の追及の手を逃れてきました
今もまた、新しい町へと移動する途中なのです
突然、車両の後ろの扉が開き、二人の警官が入ってきました
スッシの胸は鐘のように打ちはじめました
政府の警官であることを示す、ファシスト党の制服を着ています
スッシが恐怖で凍りつく中、警官は座席の列ごとに立ち止まっては乗客一人一人の書類を点検しながら近づいてきます
書類をもっていないことがわかったら、その場で逮捕され、最終的には恐ろしい収容所に送られることをスッシは知っていました
そこで待っているのは、想像を絶する苦しみと、ほぼ確実な死です
警官がだんだん近づいてきて、ほんの2、3列先まで来ました
もう逃げ道はありません
あと数分で、スッシの座席にやってきます
スッシの身体はこらえきれずに震えはじめ、涙がほおを流れました
隣の席の男性がスッシの様子に気付き、どうして泣いているのかとやさしく尋ねました
「私はユダヤ人です。でも、書類をもっていないのです」
スッシはやっとの思いで、小さくか細い声で答えました
すると驚いたことに、男性はいきなりスッシに向かって怒鳴りはじめました
「このバカ!何てことだよ!本当にお前はドジな女だな!」
騒ぎを聞きつけて、警官が書類の点検を中断し、駆けつけました
「どうしました」と一人の警官が尋ねます
スッシはもうこれでおしまいかと、さらに激しく泣きじゃくりました
男性は顔をしかめ、警官のほうを向いていいました
「おまわりさん、こいつをしょっぴいてくださいよ。私は自分の書類をもってきたのに、女房ときたら自分の分を忘れたっていうんです!いつも忘れ物ばかりして、もうこりごりですよ。お前の顔なんか、二度と見たくもない」
警官は笑い、やれやれといった様子で夫婦ゲンカに首をふると、先へ進んでいきました
見ず知らずの乗客の捨て身の行為によって、スッシは命を救われました。
…捨て身の行為。間違えばこの男性も。。この捨て身の行為にドキドキハラハラしたけど、無事やりすごせてホッとしたというか感動しちゃった(*^^*)…
このウラログへのコメント
素晴らしい勇気と機転ですね。
優しくて格好良い。
こう、在りたいです。
naoxtakaさん:そうですよね。なかなか出来ないと思う
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