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少し成程話:引きずらないこと
2012年10月28日 20:53
田坂広志氏の心に響く言葉より
何年か前、人間の[不動心]について興味深い心理学的実験が行われました。
最近座禅の修行を始めたばかりの若者と、永年、禅寺での修行を積んだ禅師の二人に脳波の測定実験を行ったのです。
最初、二人同時に座禅による瞑想状態に入って貰い、その脳波をそれぞれに測定したところ、二人の脳波はいずれも整然とした[アルファ波]を示しました。
そこで、二人を驚かせる為に突如、大きな音を立てたところ、二人の脳波はいずれも大きく乱れた波形を示したのです。
結局永年厳しい修行を積んだ禅師も決して[不動心]ではなかったのです。
しかし、実はその後の二人の脳波が大きく違いました。
若者の脳波は音が静まった後もいつまでも乱れ続けたのですが、禅師の脳波は速やかに元の[アルファ波]の状態に戻ったのです。
この興味深い実験結果は[不動心]の本当の意味を教えてくれます。
不動心とは、決して乱れぬ心のことではなく、[乱れ続けない心]のことなのです。
『自分であり続けるために』PHP
肚(はら)が座っているとか、どっしりとして狼狽えないという[不動心]は何も驚かない、何も感じないということではない。人は感じることや、驚きを失ったら機能や効率だけを追求するロボットと同じになってしまう。
喜怒哀楽も同じで、喜怒哀楽の振幅の少ない人の方が人間ができているように思うけど、そうではない。
本当は喜怒哀楽の幅の大きい人が魅力的。嬉しい時には大喜びし、義憤を感じたら涙を流して憤慨し、悲しい時は大泣きし、楽しい時には大笑い。でも、大事なことは喜怒哀楽を引きずらないこと。
[今泣いたカラスがもう笑った]という、子供のような柔軟な感性が必要。色々な感情を引きずらないこと、留めないことはとても大事♪
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