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成程話:功を焦る
2012年11月28日 14:15
門昌央氏の心に響く言葉より
家康がめきめきと売り出していた頃のこと。
ある大名の家来が、戦場で首を取ったので、自分の主人をすっとばして、いきなり、家康の所へ見せにきた。
そして得々と自分の戦いぶりを話した。
家康に認めてもらおうと思ったのだろう。
家康は終始、ニコニコして聞いていたが、その男の話が終わるとこう聞いた。
[お前が戦っている時、お前の主人はどこにいたのだ?]
[知りません]
この男は、自分がした事の意味が解っていなかった。
そう思った家康は[主人にここにくるように言え]と命じた。
男は勢いづいて走りさった、主人に自分のことを誉めてくれるだろうと思ったからだ。
主人がやってきたので家康はこう言った。
[今、こういう男がきて、これこれの報告を聞いた。しかし、わしは気に入らない。すぐ、あの男をクビにしなさい]
主人は吃驚した。
そして[なぜ、あれだけの手柄を立てた男をクビにしなければならないのですか?私は貴方にお願いして、貴方にも認めていただけるなら、出世させようと思っていたのですが]
そう自分の考えを述べたが、家康は首を振った。
[いや、反対だ。あの男は貴方の旗本だった。しかし、自分の持場を離れて、功を焦り、自分の手柄だけを考えて、敵の中に切り込んでいった。貴方が襲われたら、いったいどうするのだ?自分の責務を忘れて、ただ自分だけの功名に走るような部下は私は嫌いだ。だからクビにしろというのだ]
『[要領が悪い人]ほど成功する!』成美文庫
功を焦って、自分だけよくなろうとしている人間は周りが見えていない。自分の損得だけを考える、自己中心的な人になってしまっている。[功を焦るな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く掘れ!](升田幸三)
自分の損得等考えず、黙々と自分の根を深く掘る人にはいつか光があたる。
やっぱり人のこと意識して見ていかなきゃね
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