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夜中の夕立

2006年06月14日 09:37

夜中の夕立

暑い一日だった。 日中、町角の経理事務所看板についているデジタル温度計が33度と出ていた。 この3,4日ずっとそんな天気で真夏日である。 今、夜中にキーボードをポツポツ打っているこの屋根裏部屋は28度である。 けれど、ありがたいことに先ほどからお湿りの兆しがある。

暑い一日も夕食は庭の立ち木の下で採り、その後、家人と二人で涼みがてらちょっと郊外サイクリングに出た。 平らな牧草地をぬってゆっくり自転車道を走るのは気持ちがいい。 春には何回か同じようにサイクリングをしたのだがその時とは気分が違う。 春には長い冬が終わって、空に青空の穴があちこにに穿たれ、そこから木漏れ日が射す春のサイクリングで、ようやく外に出られる喜びを味わうものだが、今は快適な11時まで明るい夕食後のゆったりとした散歩がてら涼みがてらのサイクリングだ。 2時間ほどで20kmぐらいかそれ以上走っただろうか。 途中の村のカフェーで飲み物を採るということもできるのだが、今はドイツでのサッカー世界選手権の時期であり、どのカフェーとも飾り立てて賑やかに皆ビールを飲みながら大きなスクリーンに見入っているので我々はそういうところは敬遠して通り過ぎる。

自転車道の上に覆いかぶさった立ち木の林の間を抜けるときには9時を廻った時間でありながらもまだ昼間のぬくもりが残っていてむっとした熱気が通り抜ける体に纏わりつくのだが、ひろびろとした牧草地に出ると光はまだ充分あるものの大気は徐々に涼しくなっている。 鳥の声しか聞こえない長閑な場所ではさまざまな種類の鳥が春に孵った若鳥を見守りながら中空から鋭い鳴き声を発して我々を威嚇したり、また、ある鳥は3,4mほど離れた杭の上にとまって人間を恐れずのんびり微風に身をまかせている。 殆ど汗もかかずに帰宅してもまだ充分明るいのでこの何週間か放って置いた間に開花し、花弁もおちているものが見られる前庭のピンク薔薇が盛りを過ぎたものを4,50切り取る時間があった。 開花の第二波は二ヶ月後ぐらいだろうか。

3月の25日に書いたEuropean Jazz Ensembleという、ドイツジャズメンが中心になったジャズバンドが、その時に団員から今日ドイツテレビ局で録画したものが放映されるからと聞いていたので、夜中から1時間半のヴィデオに録画して寝ようと思ったのだが、そのよく練られた演奏に感心しながら1時間弱テレビに見入ってしまった。 その理由はドイツケルンに本拠を置く国営テレビ局画像処理、というよりカメラ技術の的確さにあった。 各団員のソロ、アンサンブルと複雑な演奏の折々のカメラワークは奏者の表情、楽器、その指使い、を見事に画像につくりだし、感心するほどの出来である。 クラシックコンサートではこのよいうな画像を作る専門がいて楽譜を見ながら画像の指図をするのだがここでは同様のシステムクラシック画像以上に個人に肉薄するものであり、各団員を客席から見るのとは格段の違いである。

そうしているうちに、開け放った窓から風が強く入るようになって、慌てて各階の窓を締めに廻った。 屋根裏部屋の傾斜した屋根に開いたガラス窓を閉めようと頭を屋根から出して眺めると、さすが昼間の熱気が大気中に発達して積層雲となっているのだろう、南の空に鉛色の雲が見え、風も強くなり、誠に心地よい涼しさである。 1時間前とは大違いで、風もあるからこの分ではこちらの方にじきにお湿りを伴って移動してくる気配である。 見ると稲光が盛んに見える。 美しさに見とれて半時間ほど眺めていた。 急に暗夜を切り裂いて光が斜めに走ったり、太いものが遠くの地面に突き刺さるのも見える。 まことに幾つも稲妻、閃光があちらこちらに走る。 そして、徐々にこちらに近づいてくる気配でもある。 この時期、音の速度は1秒で300mほどであるから光った瞬間から数えてみると20秒ほどで音が聞こえるのであるから概ね7,8km向こうというところか、それにぽつりぽつりと大降りのしずくが屋根瓦を叩き始めている。 この分では庭に散水する手間が省けるほど夕立が降るのだろう。 そろそろ窓を開けていられなくほど雨足が強くなっているので閉めて自室で28度の中でこのことを記そうと思う。

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