【ツンデレハート】カラオケボックス

返ってきたテストの用紙は教材として最適なんだよ。
例えば自分の間違いのパターンを知ることができる。
「あ。これは」
スペルミスだね。ここはエルじゃなくてアールだったんだ。
「でも、だったら減点にすれば良いじゃない。けちんぼねっ」
うーん。このかどを曲がって光です。
「？」
ジャックは切り裂き魔です。→ジャックはキス魔です。
「ジャックが変態であることに変わりないじゃない」
つまり、この問題のパターンなんだ。ツンデレちゃんは本質を言った。「ジャックは変態だから気を付けて」とね。でも問題作者はジャックはどのようにアブナイ奴かを当てて欲しかったんだね。

ジャック「あーひゃひゃひゃ！」
ずびずばっ

って感じかな？

とどのつまりツンデレちゃんはスペルミスでこの問題を逃してしまったって事さ。

「表現はともかく、あなたの教えかたはわかりやすいわ。ここは？」

…………。

兄くんの勉強会の甲斐があって、ツンデレちゃんは期末テストを無事に乗りきれたようです。

ところでテストが終わると大抵は大きめな自由時間が生じるのだった。

「じゃ、みんなカラオケいくわよっ」
「ごめ～ん。今日から部活なんだ」
「わたくしは生徒会の用事が」
「俺は掃除当番」
「……ほっといてくれ、どうせ冬休み返上なんだ」

「あれ？」
結局、ツンデレちゃんと二人きりでカラオケボックスに行くことになった。

テスト期間に掃除当番なんてないのになぁと気づいたのは入店後だった。


「ま、良いじゃない！歌うわよ～」
じゃあ、僕は聴いてるね！

そうしてツンデレちゃんが選曲したのは……


続く！