【ツンデレハート】感度を上げるためのテクニック

おはよー。
「あっ…おはよー」
あれ、ツンデレちゃん、どうしたの？
「えっと…あの…あのねっ……わからない」
なんかツンツンが抜けてる気がする。
具合でも悪いのかな。

もちろん、彼女はカラオケボックスでの件を気にしていたのである。
この土日、そればかりが頭をよぎって、ろくに動けなかった。体調は自然と衰えるわけだ。

「はうーん」
授業中も気の抜けた風船のようだった。

「……」
昼食のときもだ。箸が全く動かない。
ただ、じーっと僕を見ている。

食べないと元気でないよ？
「ダイエットしてるのよ」
強がりにもいつもの語気がない。重症だ。
僕はツンデレちゃんの口に卵焼きを運んだ。
あーん
「あーん……モグモグ」
抵抗もせずに食べて飲み込む。
「もっと」
あーん
「モグモグ……」

結局弁当全部を橋渡ししてしまった。
なんだか介護してる気分だった。

保健室。
「典型的なアレだな」
保険医はそれだけ言った。アレってなんだろう。
「薬を出しとくからこれを飲んで安静にしてるとよい」
単なる痛み止めかなんかのようだ。

僕は看病してなくていいですか？

「むしろ邪魔だな。そっとしておいた方がいい」
何か言いたげな保険医だが、あとは何も言わなかった。


ツンデレちゃんのいない午後の授業はなんだか退屈なつらさがあった。

「今日は、ありがと」
放課後、戻ってきたツンデレちゃんは荷物を取るだけですぐに帰ろうとしていた。

ねぇねぇ、一体何があったのさ。

「元気になったら、話すわ」


続く！